「またラケットスポーツをやりたい。でも、テニスをするほど膝に自信がない」
そんな人にとって、ピックルボールは気になるスポーツではないでしょうか。
私も20代のころにテニスを経験し、50代になってからピックルボールを始めました。
最初に気になったのは、やはり体への負担です。
実際にプレーして感じたのは、テニスよりも動く範囲がコンパクトで、膝や腰への負担が少ないと感じる場面が多いことでした。
ただし、ここは大切です。
「ピックルボール=膝に優しく、ケガをしないスポーツ」とまでは言えません。
研究でも、ピックルボールでは転倒や急な方向転換などによる下半身のケガが報告されており、膝のケガも発生しています。特に中高年では、無理な追いかけ方や急停止には注意が必要です。
では、それでもなぜテニス経験者の私が「これなら続けやすい」と感じたのか。
実際にプレーして分かった違いを紹介します。
ピックルボールがテニスより「体が楽」と感じた3つの理由

一番大きいのは、コートの広さです。
公式のピックルボールコートは、幅20フィート(約6.1m)、長さ44フィート(約13.4m)。
テニスコートよりかなりコンパクトです。
テニスでは、左右に振られたボールを追いかけたり、ベースラインからネットまで走ったりする場面があります。
一方、ピックルボールのダブルスでは、数歩の移動でボールに届く場面が多くなります。
私自身、
テニス
→ 走る
→ 止まる
→ 切り返す
→ また走る
という感覚だったのに対し、
ピックルボール
→ 構える
→ 数歩動く
→ 打つ
→ ポジションを戻す
という動きが中心だと感じました。
この「全力で走る場面が少ない」という違いは、50代になってからプレーするとかなり大きく感じます。
もう一つ特徴的なのが、ネット近くにある**ノンボレーゾーン(通称キッチン)**です。
「ピックルボールではボレーは禁止されているの?」と思う人もいますが、ボレーそのものは禁止ではありません。
禁止されているのは、基本的にノンボレーゾーン内に触れた状態でボレーすることです。
さらに、サーブ後は、
サーブ
↓
レシーバー側で1回バウンド
↓
サーバー側でも1回バウンド
↓
その後はボレーも可能
という「ツーバウンドルール」があります。
つまり、テニスのようにサーブ直後からネットへ飛び込んでボレーするスポーツではありません。
このルールによって、ラリーの序盤から急激に前へダッシュする場面が抑えられています。
テニス経験者からすると、最初は少し不思議です。
しかし慣れてくると、
「走って勝つ」より「位置取りとコントロールで勝つ」
というピックルボール独特の面白さが分かってきます。
ピックルボールは難しい?50代からでも楽しめる理由

「テニスをやっていた人しかできないのでは?」
「ルールが難しそう」
そう思う人もいるかもしれません。
私も始める前はそう感じていました。
ところが、実際にやってみると、最初にラリーを楽しめるようになるまでのハードルは、それほど高くありません。
基本的な流れをかなり簡単にすると、
サーブを斜めのサービスコートへ入れる
↓
最初の2打は一度バウンドさせる
↓
その後はワンバウンドでもボレーでもOK
↓
ネットやアウトなどでラリー終了
というスポーツです。
もちろん、試合になるとサーブ順や得点方法、ノンボレーゾーンなど細かなルールがあります。
しかし、最初から全部覚える必要はありません。
体験会などであれば、
「サーブを入れる」
「一度弾ませる」
「相手コートへ返す」
ここから十分楽しめます。
そして上達してくると、ピックルボールの印象は大きく変わります。
強いボールを打つだけでは勝てません。
ネット際へ柔らかく落とす「ディンク」、後方からキッチンへ落とす「ドロップ」、相手の位置を見ながら打つコース選択など、かなり戦略的です。
つまり、
始めるのは比較的やさしい。
でも、上手くなろうとすると奥が深い。
そこが大人になってからハマる理由の一つだと思います。
膝が心配な人ほど「無理をしないピックルボール」から始めよう

ここまで読むと、
「ではピックルボールなら膝が悪くても大丈夫?」
と思うかもしれません。
そこは慎重に考えた方がいいでしょう。
ピックルボールでも、
・前方への踏み込み
・左右への切り返し
・急停止
・後ろ向きの移動
・転倒
は起こります。
特にケガの研究では、転倒やランニング、前方へのランジ、方向転換などが下肢のケガにつながるケースが報告されています。
そのため、
コートが小さい
=膝を痛めない
ではありません。
私が実際にテニスと比べて感じたのは、
「膝に優しいスポーツ」というより、「自分で運動量を調整しやすいスポーツ」
ということです。
これがピックルボールの大きな魅力だと思います。
最初はダブルスで始める。
取れないボールを無理に追わない。
プレー前に足首・ふくらはぎ・太ももを動かしておく。
疲れてきたら休憩する。
こうした遊び方なら、運動から離れていた人でも少しずつ体を慣らしていけます。
私自身、50代になってからピックルボールを始めて感じたのは、
「もう一度、試合をする楽しさを味わえる」
ということでした。
相手のボールを読む。
コースを狙う。
ラリーが続く。
ポイントを取ってペアと喜ぶ。
テニスをしていたころに感じていた楽しさが、もう一度戻ってきました。
「テニスをもう一度やりたい。でも膝や腰が少し心配」
そんな人なら、一度ピックルボールを体験してみる価値はあると思います。
ただし、膝や腰にすでに痛みや症状がある場合は、無理に始めず、必要に応じて医療専門家へ相談してください。
ピックルボールは「体に負担がないスポーツ」ではありません。
それでも、年齢に合わせて運動量を調整しながら、ラケットスポーツの楽しさを味わいやすい。
テニス経験者の私にとって、それがピックルボールを続けたくなる一番の理由です。
