ピックルボールにおいて、バックハンド側の処理は勝敗を分ける重要な要素です。
今回は、世界ランキング1位のベン・ジョンズ選手が解説する「攻めのロール」と「守りのディンク」、2つの重要テクニックを徹底解説します。
目次
1. 攻めの極意:バックハンド・ロール (Backhand Roll)
7年間ベン・ジョンズが愛用し続けている、ネット際での強力な攻撃ショットです。
基本のセットアップ
- ノーバウンドで打つ: このショットはバウンド後ではなく、空中(ボレー)で捉えます。
- 打点はネットより低い位置: 相手の足元に沈めるような低いボールを、攻撃的なトップスピンに変えます。
フォームの絶対ルール
多くの人が手首を使いすぎるミスを犯しますが、基本のロールは手首を使いません。
- スイング軌道は「ロー・トゥ・ハイ」
- 低い位置から高い位置へ振り上げます。前に押し出すとネットにかかるため、しっかり下から上へ振ります。
- パドル面は「クローズ(下向き)」
- 「バイクのスロットルを回す」ように手首を前に曲げ、面を伏せます。
- 「伏せた面」+「上に振り上げる動作」の組み合わせが、強烈なトップスピンを生み、ボールを急激に落とします。
戦術:クロスに来た球をストレートへ
最も効果的なのは、クロスコート(対角)から来たディンクを、ダウン・ザ・ライン(ストレート)へ流すことです。
- 打ち方: 体はクロスを向いていても、スイングはボールが来た方向に戻すのではなく、打ちたい方向(前方)へまっすぐ振ります。
- メリット: 相手はバックハンド側(クロス)への返球を警戒しているため、逆サイドのストレートは意表を突くことができます。
動画1:バックハンド・ロール(攻撃)
| 時間 | タイトル | 重要なポイント |
| 00:00 | 基本セットアップ | バウンドさせず、ノーバウンド(空中)で捉えるのが大前提。 |
| 01:30 | 手首のNG動作 | 基本のロールでは手首を使わない(こねない・ワイパー動作をしない)。 |
| 02:08 | 【最重要】スイングと面 | 「ロー・トゥ・ハイ(下から上)」に振る。パドル面はバイクのアクセルのように「伏せる(クローズ)」ことでトップスピンがかかる。 |
| 02:59 | 戦術:ダウン・ザ・ライン | クロスから来たボールを、打ちたい方向(ストレート)へ向かってまっすぐ振る。クロスに返すと見せかけてストレートを抜くのが有効。 |
| 03:54 | スピンの継続性 | 相手のスライス(バックスピン)に対して打つ方が、回転が反転してトップスピンをかけやすい。 |
| 05:21 | コースの打ち分け | パドルヘッドを少し下げてボールの外側を捉えると、自然と相手の左肩(センター寄り)へ飛ぶ。 |
| 06:14 | 上級:バックハンド・フリック | ボールが高い位置にある時は、手首のスナップと肘の押し出しを使った「フリック」も有効(※難易度高)。 |
2. 守りの極意:バックハンド・ディンク (Backhand Dink)
安定したラリーを続けるための基礎技術です。ここでは「手首」の使い方が全てです。
2つの鉄則:Do & Do Not
ベン・ジョンズは、ディンクにおいて手首のコントロールを最も重視しています。
❌ 【Do Not】手首をフリックしない
- 打つ瞬間に手首をピンと弾いたり、ワイパーのようにこねたりしてはいけません。
- 手首が動くとタイミングがずれ、コントロールを失います。
⭕ 【Do】手首を「コック」して固定する
- 手首を上向きに立てた状態(コック)でロックします。
- なぜ重要か?
- 手首を立てるとパドル面が自然とオープン(上向き)になります。
- これにより、ボールの外側を回り込み、ボールの「下」を捉えやすくなります。
- 結果: 安定した軌道で、丁寧なディンクを打ち続けることができます。
動画2:バックハンド・ディンク(守備)
| 時間 | タイトル | 重要なポイント |
| 00:32 | NG:手首をフリックしない | 打つ瞬間に手首を弾いたり動かしたりしない。安定性とタイミングが失われる。 |
| 00:58 | OK:手首をコック(固定) | 手首を上向きに立てて(コックして)ロックする。これにより面が自然と開き、ボールの下側を捉えやすくなる。 |
まとめ:ベン・ジョンズ流バックハンドの使い分け
| ショット | 目的 | 手首・パドルの状態 | アクション |
| ロール | 攻撃 (Attack) | スロットル(前に曲げて面を伏せる) | 下から上へ振り抜き、トップスピンをかける |
| ディンク | 守備・繋ぎ (Control) | コック(上に立てて面を開く) | 手首を固定し、ボールの下を捉えて運ぶ |
「攻める時は面を伏せて振り上げ、守る時は手首を立てて固定する」。
この2つの使い分けを意識して練習することで、バックハンド側の支配力が劇的に向上するはずです。まずは手首を使いすぎないことから始めてみましょう。